空隙歯列

くうげきしれつ

美容室2
空隙歯列とは
空隙歯列とは、歯と歯の間に隙間ができている状態を指します。これは一般的に歯列弓(顎骨)が大きく、歯が小さく、または歯の数が不足しているために起こります。舌や口唇、頬筋などの筋力バランスが崩れていると、歯が外側に移動し、歯列弓が大きくなり、歯と歯の間に隙間ができることがあります。乳歯や永久歯が自然に交換される際には、空隙が自然に閉じることもありますが、歯の大きさや数に適合しない場合には、隙間が残る可能性があります。
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空隙歯列の原因や放置した場合の影響について

原因:
- 遺伝的要因による大きなアゴや小さな歯の受け継ぎ
- アンバランスなあごの骨の成長
- 悪い癖(指しゃぶり、舌癖、口呼吸など)
- 大きな舌
- 歯の数の異常

放置した場合の影響:
- 咀嚼や嚥下障害の可能性
- 発音の不明瞭さ
- 口元の印象の悪化
- 上下のあごの成長障害
- 口の閉じにくさや常に口が開いている状態
- 前歯の外傷リスク
- 顎関節症の原因となる可能性
- 全身への影響(胃腸障害、肩こりなど)
- 口腔内の清掃困難や虫歯、歯周病、口臭のリスク増加

これらの影響を踏まえて、空隙歯列の早めの治療が重要です。専門家との相談をお勧めします。

5歳以下で全ての歯が乳歯の場合(永久歯が生えていない状態)の空隙歯列について

5歳以下で全ての歯が乳歯の場合(永久歯が生えていない状態)の空隙歯列について、以下の情報を簡潔にまとめました。

この年齢の空隙歯列は、悪習癖(指しゃぶり、舌をかむ癖、口呼吸など)によって引き起こされることが多いため、経過観察と治療開始の2つのアプローチがあります。空隙歯列の程度や原因によって異なるため、矯正歯科専門医に相談することが重要です。

経過観察の場合、半年ごとに定期検診を受け、歯並びの変化や他の問題の確認を行います。原因を調査し、必要に応じて治療を行います。

治療法としては、悪習癖の改善を目指すことが重要であり、取り外し可能な装置を用いて自宅でも使用します。悪習癖の除去により、不正歯列の予防や空隙歯列の改善を目指します。

治療期間は通常約6ヶ月前後で、治療スケジュールは4〜6週ごとの通院が一般的です。

6歳から10歳の混合歯列期における空隙歯列について

この年代の空隙歯列の場合、以下の要因によって生じる可能性があります:
- 奥歯や前歯の生え方が悪くて空隙が生じる場合
- 悪い癖(指しゃぶり、舌をかむ癖、口呼吸など)によって空隙が生じる場合
- 小帯(唇や頬から歯ぐきに伸びるスジ)が太い場合
- 歯の大きさとあごの大きさのバランスが取れていない場合

空隙歯列の矯正治療は、全ての永久歯が生えそろってから行う必要はなく、放置すると空隙歯列が悪化する可能性があります。成長期を活かしてあごのバランスを整えることができるため、この年代に矯正治療を開始することが重要です。

通常、6歳から10歳の時期は矯正治療を開始する適切な時期とされています。専門の矯正歯科医に相談し、治療を受けることで将来的にも適切なかみ合わせを維持できる可能性が高まります。アメリカ矯正歯科学会や日本矯正歯科学会も、7歳までに専門医の診断を受けることを推奨しています。

空隙歯列の治療法について

空隙歯列の治療法は、個々の原因や程度によって異なります。
- 歯の位置を調整して空隙歯列を改善する方法があります。通常、治療期間は約6ヶ月前後です。
- あごの発育を誘導してバランスを改善する方法もあります。治療期間は通常1〜1.5年前後です。
- 悪習癖が原因の場合、癖を改善するためのトレーニングが行われることがあります。
- 通院は通常、4週間から6週間ごとになります。治療終了後は定期的な検診が行われ、あごの骨の成長や歯の状態が確認されます。
- この時期には、一般的な全体的な矯正装置よりも、歯の裏側に取り付ける固定装置や取り外し可能なマウスピースのような装置が使用されることが一般的です。

適切な治療法と装置を選択し、定期的な通院と治療を受けることで、空隙歯列を改善し健康なかみ合わせを取り戻すことができます。

11歳以上25歳未満の永久歯列期における空隙歯列について

この年代の空隙歯列の治療法は、以下のようになります:
- 空隙歯列が矯正治療の対象となる場合、治療は個々の症例に応じて異なります。
- 治療法1では、あごの成長のバランスが悪い場合には、あごの骨の矯正を行うことがあります。成長の状況によって治療が異なるため、レントゲンなどで確認を行います。
- 治療法2では、あごの発育が悪い場合には、歯を移動して空隙歯列を改善し、適切なかみ合わせを目指します。必要に応じて外科的な処置も行われることがあります。
- 治療法3では、わずかな空隙歯列の場合で永久歯の抜歯が不要なことが多く、比較的短期間の治療で改善されることがあります。
- 治療法4では、重度の空隙歯列の場合には、精密検査を行って適切な治療法を選択します。治療期間は通常約2年前後です。

適切な治療法を選択し、定期的な検査と治療を受けることで、空隙歯列を改善し、健康なかみ合わせを取り戻すことができます。

おとなの場合(20歳後半以上・成人矯正)

おとなの場合、基本的治療法や矯正歯科装置は12歳以上25歳未満の場合と同一ですが、次の点に注意してください。
矯正歯科治療は、基本的にはおいくつになってからでも開始することは可能です。ただし、歯周病などが罹患している状態でそのまま矯正歯科治療を開始してしまうと、歯周病が悪化してしまうことがあります。
逆に、歯周組織がよくコントロールされた状態で歯列矯正を行うと、歯槽骨(歯ぐきの下の骨)の状態や歯肉が良好になること、プラークコントロールがしやすく、また噛み合せが安定して、歯がもちやすくなることなどが報告されています。
成人矯正の場合、歯周病の問題をどのように対応するのかで、治療の効果は、全く逆のものになってしまいます。「自分は歯周病なんか大丈夫」と思っている方も多いと思いますが、歯周病は20代後半より程度の差はありますが、何方でも罹患をしているというデータも存在します。いわゆる国民病、生活習慣病です。
歯周病は全身疾患との関連性が強く、妊婦や糖尿病・心疾患への悪影響を及ぼします
また、歯周病は全身疾患との関連性が強く、妊婦への悪影響(未熟児など)、糖尿病や心疾患への悪影響など様々な悪影響を及ぼすことが最近わかってまいりました。
矯正歯科の治療を開始する前に、きちんと歯ぐきの専門家のチェックを行うことが必要です。

成人の場合

成人矯正の場合、歯周病などの問題に注意が必要です。歯周病が進行している状態で矯正治療を行うと、病状が悪化する可能性があります。歯周病がコントロールされた状態で矯正治療を行うと、歯槽骨や歯肉の状態が改善し、歯の持ちが良くなることが報告されています。

成人矯正の場合、歯周病対策が治療の効果に大きく影響します。歯周病は20代後半から進行するケースもあり、全身疾患との関連性が高く、妊婦や糖尿病・心疾患にも影響を及ぼす可能性があります。

矯正治療を始める前に、歯周病の専門家によるチェックが必要です。自身の歯周病の状態を把握し、適切な対策を取ることで、矯正治療の効果を最大限に引き出すことができます。歯周病と矯正治療の関係を理解し、健康な口腔環境を維持することが重要です。

空隙歯列の治療のメリット・デメリット

【メリット】
- 歯を健康に保ちやすくなることが期待できる
- 見た目が美しくなり、自信を持つことができる
- 口臭が改善される
- 発音が明瞭になり、コミュニケーションが円滑になる
- 食べ物が挟まりにくくなり、食事が快適になる
- よく噛めるようになり、消化吸収が向上する
- 顎関節の不調や頭痛、肩こりなどの不定愁訴が改善される可能性がある
- 健康で充実した老後を送りやすくなる

【デメリット(リスク・副作用)】
- 治療中に痛みを感じることがある
- 治療期間が長くかかる場合がある
- 治療費が高額になる可能性がある
- 食事が不便に感じることがある
- 治療中に虫歯や歯周病のリスクが高まることがある
- 歯茎が退縮する可能性がある
- 治療後に歯並びが元に戻る「後戻り現象」が生じることがある

以上が、歯列矯正におけるメリットとデメリットの一般的な例です。

不正咬合と歯列矯正法

あなたの噛み合わせは?

代表的な不正咬合、治療法を詳細ページにて説明しております。
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叢生

「そうせい」と読み、いわゆる“乱ぐい歯”です。歯が転位や捻転(回転)を起こし重なり合っている状態で、個々の歯の位置異常が起こり、歯がでこぼこに生えている状態です。
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上顎前突

「じょうがくぜんとつ」と読み、“でっ歯”と呼ばれるように、上の前歯や上あご(上顎骨)が、著しく前方に突出している状態です。
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下顎前突

「ががくぜんとつ」と読み、“反対咬合”、“うけ口”ともいわれ、下の前歯が上の前歯より前方にでている状態をいいます。
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過蓋咬合

「かがいこうごう」と読み、かみ合わせた時に、下の前歯が見えないような、前歯のかみ合わせが著しく深い噛みあわせを言います。
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開咬

「かいこう」と読み、かみ合わせた時に、下の前歯が見えないような、前歯のかみ合わせが著しく深い噛みあわせを言います。
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交差咬合

「こうさこうごう」と読み、上下の歯のかみ合わせが横にずれている状態をいいます。
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空隙歯列

「くうげきしれつ」と読み、歯と歯のあいだに隙間があいている状態をいいます。いわゆる“すきっぱ”です。
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上下顎前突

「じょうげがくぜんとつ」と読み、上下の歯が出ている状態を指します。いわゆるゴボ口、口ゴボと言ったりします。